こんにちは。横田です。
面白い記事をみつけました。
http://news.biglobe.ne.jp/trend/0320/toc_160320_3413224061.html
マジですかね?
■虫歯が爆発する!?
アトキンソン歯科医が遭遇したそのトンデモ症例は3例あり、1817年〜1855年の間に起きたものだ。いずれも犬歯か臼歯が痛みだし、長期間歯痛に悩まされていたという。
そのうちのある牧師はあまりの痛さに耐えきれず、頭を地面や壁に押し付けたり、冷たい泉に頭を突っ込んだりしていたほどだったそうだ。そして3者に共通して起きた不思議な現象……辛い歯痛に悩んでいる最中、ピストルの発砲音のような鋭い破裂音と共に虫歯が粉々に砕け散った、もしくはパカッと割れたというのである。皆その瞬間に痛みから解放され、安眠と精神的安定、健康を取り戻したというのだが……。
これらはもちろん珍しい事例だがまったく前例がないわけではないそうで、最近発刊されたイギリスの専門誌「British Dental Journal」では過去の数々の症例から歯の爆発には明らかに共通点がある、と発表し注目を集めている。
他の類似例として1871年、若い女性の虫歯になっていた臼歯に「身体が飛ばされるほどの強い衝撃を伴う爆発」が起きた、というJ・フェルプス・ヒブラー歯科医師の報告を引用。すさまじい爆発音で女性は数日間耳が聞こえなかったほどだという。
このように歯の爆発は19世紀には5〜6例起きていたそうだが、文献で次に確認されるものは1920年代に入ってから。ただ、英マンチェスター大学修復歯科学のヒュー・デブリン教授によると、歯が割れたり砕けたりするケースはよくあるが、破裂音などの大きな音を伴う例はないとのこと。
1960年代に南極探検家の歯が自然に粉々になったという報告があり、当時は極端に低い温度という状況下が影響したのではないかと推測されていたが、おそらく糖分の多い食生活が虫歯を誘発したためでは、と教授は分析しているそうだ。
■歯の詰め物が原因なのか!?
では本当に歯の爆発は起こるのだろうか? 先述のアトキンソン歯科医は「歯の腐食によりガスが溜まり爆発する」という一見有力に思える仮説を立てていたが、デブリン教授は口内で爆発を引き起こすほどのガスが溜まるとは考えにくい、と否定している。
「19世紀の歯科技術では虫歯が歯の内部からくるとはまだ理解されておらず、食事や歯の表面につくバクテリアが原因だと判明されたのは20世紀からなのです」(ヒュー・デブリン教授)
そして教授は爆発の原因について、当時の歯の詰め物に起因する可能性を示唆している。水銀混合物が使用される以前の1830年代では、鉛やスズ、銀等様々な合金が詰め物として使用されていたことを挙げている。
ロンドン大学で無機化学を担当するアンドレア・セラ教授もこれらの合金が口内で低電圧の電気化学電池となり得ることを指摘しており、「自発的な電気分解に伴い水素が発生し歯の穴に残った場合、爆発する可能性は十分に考えられる」という。
例えば、タバコを吸っていたり、鉄製の詰め物同士の作用で火花が出た瞬間などが発火につながるかもしれないとのことだ。
ただ残念ながら、過去の文献の中に詰め物の有無に関する記述はなく、他の要因や可能性も残されている。また当時の患者が症状を偽っていたり大げさに伝えているかもしれず、不明な点も多く残るため、現時点では歯が爆発する原因はまだ謎のままである。
それにしても歯が爆発するなんて考えただけでも恐怖だが、痛みがピタリと止まるなら結果オーライだったのだろうか!? いやいや、やはり虫歯は未然に防ぐ方が重要そうだ。
(文=Maria Rosa.S)