第97話「剣に斃れ」

急追するミッターマイヤー艦隊に反撃しようとした矢先、味方であるグリルパルツァー艦隊がロイエンタール艦隊を砲撃した。この裏切りによって、ロイエンタール艦隊は瓦解への道をたどり始める。ロイエンタール自身も重傷を負うが、手術を拒否しハイネセンに向かう指揮を執り続ける。ハイネセンに降り立った彼は、最後の仕事を行うために執務室へと向かった。その頃メックリンガーはウルヴァシー事件の再調査を行い、その真相を突き止めていた。

フランチェスク・ロムスキー  ロムスキー.jpg

声・・・仲村秀夫(明日のジョーの力石徹、宇宙戦艦ヤマトの島大介など)

エル・ファシル革命政府の首班。医師であり、ヤンのエル・ファシル脱出行でも行動を共にしている(フレデリカの母も治療を受けたことがある)。バーラトの和約以降、帝国の隷属状態になった同盟政府を見限り独立を宣言するが、確固な成算があったわけではなかった。そのため、他に行く所がないのでやむなく合流したヤン以外は後が続かず、帝国軍からは事実上ヤン・ウェンリー軍にかかったおまけみたいな扱いを受けていた。
ヤンが帝国と和睦して共存しようと提案した時、専制政治との共存など有り得ないと嫌悪感を示し、思想的な純粋性と同時に政治的センスや駆け引きなどの才覚が乏しいこと(帝国と和睦しないのであればどのようにして帝国と接していくのか…といった構想や展望も提示していない)を、ヤンやその幕僚に露呈して失望を与えている(この時シェーンコップはユリアン等に、ロムスキーに対する叛意を告げている)。ただしその一方で、政府幹部達がヤンを捕らえて帝国に差出して講和しよう、と提案した時も、ロックウェルらの前例を挙げつつ、同時に感情的に嫌悪感を示してはっきりと拒絶しており、そのお陰でヤンが救われたことも描かれている。また、ヤンは文民統制的志向から何かにつけて政治面の指導者は自分ではなくロムスキーを立てようとしていた。
最期は回廊の戦いのヤンとラインハルトの会見について行き、地球教徒のテロに巻き込まれ真っ先に殺されてしまった。その遺体は回収されず、この点に関してはユリアン達は批判を受ける結果となる。
なお、彼とヤンが死んでしまったため、エル・ファシル革命政府は解散してしまうが、生き残った幹部達は「革命政府はロムスキーの独断的行動の結果だった」と責任転嫁する態度だったため、ユリアンから非難された。