第87話「嵐の予感」

宇宙歴800年/新帝国歴2年8月、銀河帝国皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムは、宿敵ヤン・ウェンリーの死による喪失感から逃れるように政務に精励していた。ミッターマイヤーとの会見中、ふと彼の胸に去来する5年前の嵐の夜の出来事。それは、ラインハルト、ミッターマイヤー、ロイエンタールの長い友情のきっかけであった。その時、ミッターマイヤーは門閥貴族の策謀で軍刑務所に収監されていたのであった。

 

エヴァンゼリン・ミッターマイヤー        エヴァ.jpg

声・・・山本百合子(北斗の券のユリア、魔法使いサリーの夢野サリーなど)

ウォルフガング・ミッターマイヤーの妻で元はミッターマイヤー家の遠縁にあたる女性。12歳の時に父親が戦死したため、ミッターマイヤー家に引き取られた。たぐいまれな美少女ではないが、すみれ色の瞳とクリーム色の髪が印象的な少女として、士官学校の寄宿舎から帰省した当時17歳のミッターマイヤーの前に現われる。7年後、黄色いバラの花束(花屋で、「何でもいい」「あ、その花を」と軍服姿で目的を言わずに店員を驚かせる勢いで購入)と、チョコレートとラム酒入りスポンジケーキを手渡された後にプロポーズされ承諾。なお、黄色いバラの花言葉(「嫉妬」「気紛れな愛」「薄れゆく愛」「私は貴方に相応しく無い」などの意味があるとされる)がプロポーズに相応しいものとは言えなかったため、後々まで夫婦間の笑い話となった(ラインハルトは、この話を参考にヒルダに求婚したが、花束はアニメでは紅白のバラ(赤バラは「熱愛」、白バラは「純愛」が花言葉)であった)。
物語終了まで子供には恵まれなかったが、ロイエンタールの叛乱後、ロイエンタールとエルフリーデ・フォン・コールラウシュとの間に生まれた子供を引き取りたいという夫の提案に賛同し「幸福」を意味するフェリックスと名付けて養育する。同時にロイエンタールの元従卒ハインリッヒ・ランベルツ(直前に両親を亡くしていた)の保護者にもなる。明るくもの静かで献身的な性格だが、ミッターマイヤーがロイエンタールの叛乱に出征する時の発言などから、芯の強さを持ち合わせていることがうかがえる。作品本編において、最後にセリフを語っている。
ミッターマイヤーの使う愛称は「エヴァ」。