海賊

船員が酒場に入ると、海賊が酒を飲んでいた。              海賊.jpg
片足は義足、右手はフック、そして片目に眼帯をしていた。
船員は好奇心を抑えられず、恐る恐る尋ねた。
「その足はどうして義足なんですか?」
海賊は答えた。
「こいつか。すごい大荒しに遭ってな。俺の船は転覆したんだ。そして
 漂流中にサメに襲われ、片足と引き換えに奴さんを仕留めたわけさ」
船員は尋ねた。「すごい。では、その腕はどうしてフックなんですか?」
海賊は答えた。「大きな艦隊と戦ってな。何とか、生き延びたが、おかげで
 俺は右腕を切りおとさにゃならんかった」
船員は尋ねた。「では、片目はどうして眼帯をしているのですか?」
海賊は口篭もりながら答えた。「うん、これか?目にゴミが入ってな」
船員は驚いた。「ゴミが入ったくらいで、つぶれちまったんですかい?」
海賊は答えた。「いや、それは俺がフックを付けた最初の日だったんだ」