第52話「バーミリオンの死闘(後編)」

決戦に際してラインハルトの採った作戦は、幾層にも艦隊を並べて間断ない攻撃を加えながら同盟軍に消耗戦を強いるというものであった。それを看破したユリアンの意見に耳を傾けたヤンは、囮部隊を使って中央突破を図り。自ら率いる主力軍でラインハルトの本営に肉薄する。援軍として現れたミュラー艦隊の奮戦も虚しく、ヤンはラインハルトの旗艦ブリュンヒルトを射程に捉える。人類史上最高の英雄の生涯が、閉じようとしていた・・・。

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アンネローゼ・フォン・グリューネワルト

声・・・潘恵子(機動戦士ガンダムのララァ・スン、聖闘士星矢の城戸沙織など)  アンネローゼ.jpg

聡明でいて穏やかな性格、美しく繊細な容姿を持っている。菓子作りにかけては達人でもある。

万事に控えめで後宮にあっても権力を求めようとはせず、ただラインハルトとキルヒアイスの無事だけを願い続けていた。しかし、皇帝の寵愛を失ったベーネミュンデ侯爵夫人や門閥貴族には、出自が下級貴族の出であるため反感を買っていた。寵妃の中でも、特に厚く寵愛を受けていたと取れる記述もある。その一方で、皇帝の寵愛にも関わらず政治に対して一切口を出さないその態度はリヒテンラーデ侯を始めとする帝国政府首脳陣からは比較的好意的に受け止められ、その評判は決して悪い物ではなかった。キルヒアイスの死後はフロイデンの山荘において隠遁生活を送っており、人付き合いや派手な振る舞いが苦手である事が窺える。

作中の様々な言動から、キルヒアイスに対して恋愛感情を抱いていた節が窺われるが、その胸のうちは誰にも語っていない。キルヒアイスの死の直後、ラインハルトにその事を問われたが、無言と悲しげな表情をもって答えとし、真偽を口にすることはなかった。

死の床についたラインハルトは、看病するアンネローゼに、自分が大切にしてきたキルヒアイスの遺髪が入ったペンダントを託している。その時の覇気の抜けたおそらくは彼本来の優しい瞳に、アンネローゼはその死を確信したと伝えられている。