第40話「ユリアンの旅・人類の旅」

ユリアンはハイネセン到着までの時間で改めて人類の歴史を振り返る・・・。人類社会に訪れた停滞の時代に、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムという革新的英雄が登場した。大衆の支持を集め銀河帝国皇帝となった彼は、権力欲に駆られるようになり、反抗者を徹底的に弾圧した。しかし、共和主義者の一人であった、アーレ・ハイネセンがその支配下からの脱出に成功。その後、彼の遺志を継ぐ者たちが自由惑星同盟を成立させたのであった。

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ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム   ルドルフ.jpg

声・・・大塚周夫(ゲゲゲの鬼太郎のねずみ男、ルパン三世の石川五右衛門、ドラゴンボールの桃白白、お美味しんぼの海原雄山など)

士官学校を首席で卒業後少尉として任官。法務士官として軍隊内の綱紀粛正や宇宙海賊討伐で名を上げ、疲弊する連邦内で若き英雄として地歩を固める。 その容赦のない苛烈な手法は時として批判の対象となるが、それ以上に賛意を寄せられる事が多かった。

28歳にして少将になっていたルドルフは軍籍を退いて政界入りし、国家革新同盟のリーダーとして自らの人気の元に若い政治家を集め政治的手腕を発揮、勢力を伸ばし、やがて独裁政権を確立した。 その後、不文律によって兼任を禁じられていたが、憲法に明瞭な禁止規定がなかった点を衝いて銀河連邦首相と国家元首を兼任することで強大な権力を掌握し、さらに終身執政官を自称するようになる。

自ら「神聖にして不可侵たる」銀河帝国皇帝ルドルフ1世を称し皇帝に即位し、ゴールデンバウム朝銀河帝国を興して、人類の統一政体における最初の君主となるが、当初それを後押しして快哉を叫んだのは民衆自身であった。後に議会を永久解散、このとき同時に憲法も停止したものと思われ、立憲君主から専制君主へと体制を変貌させる。

自らの政治的な信念の下に綱紀粛正をはかり、社会を覆っていた停滞的な悪弊を取り除いた事で民衆の支持を得たが、劣悪遺伝子排除法制定で弱者排斥の姿勢を見せるなど次第に自己神格化へと走る。これに反対する者や社会的弱者の粛清・弾圧を強化し、恐怖政治のもとで膨大な人命が失われる事になった。一方で功臣を中心に貴族階級を創設し、軍・官僚・貴族による強固な支配体制を確立した。しかし貴族に任じられたのが全て白人であり、かつゲルマン風の姓名を与えらた事は「ルドルフの知的衰弱を示すものではなかったか?」と評される。